第107回例会(詳細)
「日本における精神疾患の早期治療・早期支援は若者に最善の利益をもたらすか?」
三品桂子(社会福祉学部教授=精神科リハビリテーション学)
精神疾患は生涯で4人に一人が罹患し、そのうちの半数は14歳までに、4分の3は24歳までに発症すると言われています。
思春期、青年期の子どもが引きこもり、昼夜逆転の生活となり、ある日「見えないものが見える(幻視)」と言ったり、「誰かに監視されている(妄想)」と言ったり、「他の家族には聞こない声が聞こえてくる(幻聴)」と訴えたりしたら、家族はどのように対応したらよいのでしょうか。
日本では、このような早期精神病が疑われる思春期・青年期の若者が気軽に受診できたり、家族がためらわずに早期に相談に行けたりする機関はほとんどありません。そのために治療が遅れ、慢性化を辿る若者もいます。
また、日本で精神疾患の早期治療・早期支援サービスを提供している機関のサービス内容を調べてみると、若者に最善の利益をもたらすものとは到底言えない実態が見えてきます。
今回は、イギリスにおける精神病早期介入サービスを辿りながら、日本で行われている同様のサービスの問題や精神保健システムについて考えます。
【日 時】2019年5月16日(木曜)午後6時~
【会 場】本学教堂2階会議室
※無料・申込不要・どなたでも参加いただけます。