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実習報告会が開催されました(その2)12月21日

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実習報告会が開催されました(その2)12月21日

今回は、相談援助実習(社会福祉士実習)の実習報告会2日目の報告です。

以下、各実習ゼミの報告の内容を簡単に紹介します。

◆塩田祥子先生ゼミ

【実習施設・機関】 養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、老人デイサービスセンター                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                              

塩田ゼミの実習生の振り返りから「コミュニケーションは利用者を知る実践」「職員間での情報共有が利用者理解を深め、リスクマネジメントに役立つ」「相談員は利用者と家族との橋渡し役」「さりげない小さな配慮が利用者の日常生活の当たり前を維持する」などの学びが語られました。

また、「『自分が焦っているときに笑顔で対応されたらどうか?』と考えると、自分の対応が相手に不安を感じさせているんだな」など、利用者の立場に自分を置き換えてみて自分の行動を掘り下げて自己覚知していく様子も、聞いていて興味深い発表でした。

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◆藤井渉先生ゼミ

【実習施設・機関】 障害者生活介護、就労継続支援B

藤井ゼミは実習で体験し、学んださまざまな事柄を「自己決定」というキーワードを使って振り返りました。報告は、①職員の価値観・先入観による自己決定の阻害、②運営や制度、経済面による自己決定への支援の限界、③利用者の生活歴の理解、主体性の尊重、④アプローチの手段といった角度から自己決定につながる支援のあり方を考察していきました。
また、「関わり方の工夫」「わかりやすい説明」「考える時間を確保する」「視覚的なアプローチ(絵カード、写真)を活用する」など、さまざまな手法を用いて支援をしていくことが利用者の自己決定を支え、それが利用者の自己肯定感や主体性を高めていくことにつながるという考察が語られました。

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◆長澤哲也先生ゼミ

【実習施設・機関】 児童養護施設

長澤ゼミでは、「子どもへの支援の視点とは何か?」という視点から実習体験を振り返り、3つの角度から考察を深めました。

①子どもを知る 子どもの「日常の生活の様子を把握する」「子どもの感情表現を受け止める」「子どもの言動の奥にあるものを知る」「子どもを多面的に見る」ということが大切。                          ②子どもに働きかける 「子どものためにする」「子どもと共にする」「子ども自身にしてもらう」といったさまざまな働きかけ方を使っていく。                                                                   ③ソーシャルワーカーの大切にする価値観 日常の小さな選択を積み重ねていくことが将来の選択、自分のことは自分で決める力を育むことに繋がっていく。

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◆朴仁淑先生ゼミ

【実習施設・機関】 老人デイサービスセンター、特別養護老人ホーム

朴ゼミの実習生が語った学びのエピソードを紹介します。

「全盲の利用者の手を取って話しをしている他の利用者に、『そのようにしているのはどうしてですか?』と尋ねてみると『隣におるよと伝えている。そうすると安心してもらえるから』と教えてもらい、コミュニケーションの取り方を学べた」                                                              「個別支援計画の課題の中で、最初は利用者が『楽に過ごせること』が大切と考えていたが、指導者の助言を受けて『できること』を探し、趣味の絵手紙を活かす計画を考えた」                                「個別支援計画では、アセスメントをしっかりとしないとプランが立てられない。権利擁護の視点も併せ持つ。職員、ケース記録、日々の記録からも情報を得てアセスメントを進
めることが大切と学んだ」

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◆矢野隆弘先生ゼミ

【実習施設・機関】 障害児入所施設、障害者支援施設、障害福祉サービス(多機能型)

矢野ゼミの実習生は、実習体験の振り返りから「熱い心と冷静な頭」が大切ということをさまざまなエピソードを通じて報告しました。

「一人ひとりにあったコミュニケーションの取り方によって、利用者の言動・行動の意味について仮説が立てやすくなり、ニーズの把握がしやすくなる。また、利用者がやりたい・たのしいと感じる計画を立てることが大切」
「清掃作業の支援計画に取り組み、利用者の意見も聞きながら計画を立て、実施、モニタリング、支援計画の修正と行っていき、利用者が作業を行いやすい方法を見つけた。その計画は実習終了後も施設で使っていただけることになった」                                                        「利用者との関わりを重ねていくことで、利用者がやりたいことを語ってもらうことができた。そこから、信頼関係を築くことが利用者の思いを引き出すことに繋がると学んだ」                                    「言葉がない利用者でも、丁寧に観察することで利用者についてたくさん気づくことがある。観察から情報を得ることも重要である」

最後に、矢野先生から実習生一人ひとりに「支援とはなにか?」と質問があり、各学生がそれぞれに答えるというシーンも興味深かったです。

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◆安田三江子先生ゼミ

【実習施設・機関】 児童養護施設、児童心理治療施設

安田ゼミの実習生は、実習中、利用児と関わる中でさまざまな「対応に困る」という利用児の行動に直面し、悩んだ場面を取り上げました。その際に、実習指導者に相談し、「子どもの言動・行動の意味を考えよう」とアドバイスを受けて自身の関わり方を修正し、子ども達との関係を修正していった様子が語られました。

お越しいただいた指導者からは「子どもたちとの関係で困っていたとき、『援助者自身がが自分の気持ちに気付くことは大切なこと』なんだよ」「自分を認めてくれる人の言葉は、子どもの中に残る」など、示唆に富むコメントをいただきました。

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