第85回例会
「災害時、高齢者と障害者のいのちと生活をどう守るか」
根本 治子(元非常勤講師=医療思想史)
2011年3月11日、東日本大震災がありました。その時、みなさんは何をしていたでしょうか。わたしは訪問看護の最中でしたが、同行者がすかさずドアを開け、避難路の確保をしてくれました。
現地では、津波による犠牲者を多く出しました。被害者の多くは高齢者でした。避難所でも在宅でも、高齢者や障害者の生活環境は酷かったと聞きました。在宅では餓死者も出ました。もう一つの大きな問題は、命拾いをしたはずの命を失う「震災関連死」です。自分自身の生命と家族の生命も、そして聴覚・視覚・身体に障害を持つ人、高齢者や認知症の人たちの生命を、どのように守ることができるのでしょうか。
震災から2年が経過し、さまざまな支援対策が報告されています。発表者が宮城・福島・山形県で実施した施設でのヒアリング調査もふまえ、「いっしょに生きる生命を守る」ことについて、考えていきたいと思います。