第97回例会
「沖縄の神話 ―本土からの南下と環太平洋からの影響」
丸山 顯徳(本学文学部教授=日本古代文学・民俗学)
沖縄における日本本土の文化の南漸
昭和48年以来、沖縄の神話や伝説の調査を進めて分かったことは、沖縄諸島の神話の核のところは、記紀神話が土台になって形造られたことである。しかし、沖縄に伝わる伝承話を詳しく見ると、中東やインドシナと類似した伝承も見られる。一方、沖縄の仏教寺院は、古くから臨済宗妙心寺派の影響が強く、神社は熊野系の信仰の影響が強いとされている。民間信仰の御嶽信仰は、人々の生活に生きているが、御嶽伝承の中には、多様な信仰伝承が見られる。以上の詳しい分析は、今後の課題となるが、現在、NPO法人沖縄伝承話資料センターにおいて、これまで収集した七万四千話の地道な整理が行われている。採集した資料は、主として沖縄県内の各市町村から民話集として刊行されている。これらの業績は、おそらく世界でトップレベルのものであると思われる。「NPO法人沖縄伝承話資料センター」が、2014年6月、第8回文化財保存・修復「読売あをによし賞・特別賞」を受賞(読売新聞社、於大阪リーガロイヤルホテル )。
【日時】2016年10月3日(月曜)午後6時~
【会場】本学教堂2階会議室
※無料・申込不要・どなたにもご参加いただけます。
日 時:2016年10月3日(月曜) 午後6時~
報告者:丸山 顕徳(本学文学部教授=日本古代文学・民俗学)
演 題:沖縄の神話・伝説―本土からの南下と環太平洋からの影響