第105回例会(詳細)
「児童虐待の社会的コスト」
和田一郎(社会福祉学部准教授=子ども家庭福祉)
大きな虐待事件が起こるたびに、わが国の児童虐待防止政策は改良を重ねてきました。
それは普段はあまり注目されず、大きな事件が報道されることでしか政策推進のきっかけがないとも言えます。
虐待を受けた子どもは同年齢人口の1%未満であり、また社会的養護などの子どもにかかわる従事者数は他の産業団体に比べれば極小であり、政策決定の順位は低い状況です。
さらに、社会的養護や児童相談所などの第一線の方々は激務すぎるため、もはや現場から政策立案する余力もないように思えます。
現場の実情をまとめ上げ、政策決定者に児童虐待防止政策の重要性を伝えるにはどうしたらよいでしょうか?
児童虐待は家庭内の出来事で見えにくく、その深刻さは明らかにしにくい状況でした。しかし現在数多くの研究から、虐待を受けた子どもたちの長期的な影響が明らかになってきました。
今回は「児童虐待の社会的コスト」として、その長期的な影響を「見える化」し、社会に対しての影響度を示すとともに、それを具体的に活用し、どのように政策決定したかということを説明します。
児童福祉分野にご興味のある方のご参加をお待ちしています。
【日時】2018年10月17日(水曜)午後6時~
【会場】本学教堂2階会議室
※無料・申込不要・どなたにもご参加いただけます。