人権教育研究センター

附属機関 人権教育研究センター

公開講座

◆第124回例会

心理学者ヴィゴツキーの被差別民としての苦悩と克服
伊藤美和子(社会福祉学部専任講師=保育学・言語習得論)

 

「発達の最近接領域」や「内言論」で知られるL.S.ヴィゴツキー(1896-1934)は20世紀初頭、ソ連で活躍した心理学者です。37歳で夭逝した後、彼の著作は発禁処分に置かれていましたが、1960年代にソ連国内で出版が再開され、1990年代に欧米で再評価がすすみ、学術領域だけでなく教育の場にも大きな影響を及ぼすようになりました。ヴィゴツキーの人生はその著作の運命以上に、波乱に満ちたものでした。帝国ロシアの支配下にあった現ベラルーシの地方都市でユダヤ人として生まれた彼は、激動の歴史、強大な権力と複雑で悪辣な社会的状況に置かれ、苦難の道のりを歩んでいたのです。本例会では心理学者として身を立てるまでの若きヴィゴツキーの苦悩を、彼の手記とロシア文学に描かれるユダヤ人像を中心に描出していく予定です。
今回、私が扱うテーマは、ロシア、イスラエルと戦火が燃え盛る両地域と図らずも関連しています。スケールが大きく根深い問題ですが、ヴィゴツキーの評伝と関係する範囲で参加者の方と理解を深めたいと思います。

 

【日 時】2024年7月19日(金) 午後6時~午後8時
【場 所】花園大学 返照館102教室
【参加費】無料

【開催にあたっての注意点】
今回の研究会は対面のみで開催いたします。
事前のお申し込みは不要です。
ふるってご参加ください。