卒業生、活躍しています ~社会福祉学科・菅昌生さん~
奈良県で若年認知症の方たちへの素晴らしい実践をしておられる菅昌生さん(2004年卒、横尾英子先生ゼミ)が、12月13日に京都府認知症リンクワーカー・フォローアップ研修で「認知症の人の生きがいづくり~地域の宝を地域の人とともに守る~」と題した講演をされました。
そこで、いつものように菅さんにインタビューを行いました。
Q.どうして福祉の仕事をしようと思ったのですか。
A.自分の祖父母に大切にしてもらったんです。祖父はしっかりとしつけをしてくれました。長男である僕をとても可愛がってくれました。祖母はおいしいご飯をつくってくれました。そんな祖父母のもとで育って、だから、何かあったときには恩返しができたら。そう思ったのが福祉の仕事を選んだ理由でした。
Q.現在のお仕事について教えてください。
A.認知症の人のグループホームの職員であり、若年認知症サポートセンターきずなやの職員でもあります。
きずなやは、いろんなことをしているのですが、現在は福祉・農業・観光をキーワードに認知症の人を中心にしたまちおこし(奈良おいわけコミイチプロジェクト)に取り組んでいます。その活動内容は、休園していた約33,000坪の梅林の復興と、奈良の歴史ある薬用植物(大和橘・大和トウキ等)の栽培が中心です。一言で言えば、歴史ある「地域の宝」の復活を、認知症の人も含めて、地域住民も巻き込んで展開していく活動のコーディネートですね。
Q.福祉の仕事の面白さ、やりがいを教えてください。
A.認知症の勉強、認知症の方の支援の仕事をしてきましたが、僕の想像を超えることが起こったときでしょうか。全く予期しないことが起こったとき、「そうくるか」「ごめん、まだまだ僕は未熟やったわ」と思うのが実は大好きなんですね。
また、失敗しても、それを認知症の人たちや地域の人と一緒に笑いあえること。大爆笑して、そのことを「あったよね、そういうこと」と認知症の人も覚えていてくれて、笑いあえる瞬間でしょうか。
Q.これから福祉を学ぼうとする人にアドバイスをお願いします。
A.福祉は、自分や家族の未来をつくれる仕事です。
何かあったときに、地域の中でどう助け合えるか、そのための仕掛けやつながりをつくれるのが福祉の仕事です。行政は、そうした仕事を後から制度にしてくれる役割ですが、まず、そのきっかけを作る、現実の社会の中の最先端の仕事が僕たちのやっている仕事なんです。
菅さんの勤めておられる、一般社団法人SPS(Social Problem Solution)ラボ、若年認知症サポートセンターきづなやのFacebook、HPです。
どうぞ、ご覧になって下さい。
https://www.facebook.com/sps.kizunaya/
(記:福富昌城教授)