実習報告会が開催されました(その1)12月11日
実習報告会が開催されました(その1)12月11日
今年度、新型コロナウィルスの流行で、実習が行えるかが危ぶまれました。
しかし、実習を依頼した施設様の多くは「現場が感染予防対策をしっかり行いながら、利用者へのサービスを提供している。そこも含めて、学生さんに学んでもらいたい」と、実習生の受け入れをしてくださいました。このように、コロナ禍でも学生の学びをサポートしてくださった施設様に、この場を借りて改めてお礼申し上げます。
実習報告会は、児童・障がい・高齢・地域等、さまざまな領域で行われた実習の学びを、今年度実習を履修した学生全員で共有する機会です。
今回は、その1回目(12月13日)の様子をお知らせします。
実習報告会には、実習施設の指導者の職員様のご出席もあり、報告に対するコメントをいただくことで、さらに学びが深まりました。
以下、各実習ゼミの報告の内容を簡単に紹介します。
吉永純先生ゼミ
【実習施設・機関】 社会福祉協議会
吉永ゼミは、それぞれの実習生から、自分が実習した社会福祉協議会の特徴を説明し、新型コロナウィルス流行によって起きた生活の変化と地域の問題点が説明されました。
実習生から「コロナ禍の影響にみられる課題をマクロの課題として認識することの大切さ」「介護者の会の活動」「地域課題に対応するフリースペース」「住民の取り組みたいことを支援する」「社協は黒子」「地域の団体との連携」などの学びが発表されました。
その上で、社協の活動の変化と対応という共通テーマで事後学習を進め、その結果として「マクロ対策を充実」「対面で介護予防活動を再開」「オンラインの導入」という解決策を提案するという発表でした。
朴仁淑先生ゼミ
【実習施設・機関】 特別養護老人ホーム、地域包括支援センター
朴ゼミの実習生からは、それぞれの実習生から、実習の前と後で、自分たちの認識がどのように変化したかが発表されました。
実習生からは、「『認知症の人』ではなく『○○さん』と理解することの大切さ」「地域の資源を利用者援助に役立てる」「「こちらの当たり前を利用者に押しつけてはならない」「利用者さんの行動に何の意味があるのかを考えること」「利用者のストレングスを意識する」「社会福祉士は『なぜ』と疑問を持つことが大切」など、それぞれの学びが発表されました。
福富昌城先生ゼミ
【実習施設・機関】 特別養護老人ホーム、老人デイサービスセンター、障害者支援施設
福富ゼミでは、ある実習生が経験した、職員の不適切と思われるようなケアを題材として、この出来事をどのように理解すればよいか、また今後の再発防止のために、何を、どのようにしていく必要があるのかを話し合ってきました。
そこからは、この状況自体の再アセスメント、この出来事にあった利用者の支援計画の見直し、当該職員への働きかけ、施設全体への働きかけ、職員間の関係性の再構築、制度への働きかけ等、ミクロ・メゾ・マクロのさまざまなアプローチが考えられると発表されました。
長澤哲也先生ゼミ
【実習施設・機関】 特別養護老人ホーム、地域包括支援センター、社会福祉協議会
長澤ゼミでは、それぞれの実習先で体験したことを出し合い、そこから共通項を導き出そうとしました。
実習体験としては「目を見て話すことの大切さ」「利用者主体のアセスメントの大切さ」「面会が難しい中での利用者と家族のラインを使ってのコミュニケーション」「制度・サービスの説明」「利用者さんを見守る」など、さまざまな記憶に残る場面が紹介されましたが、それぞれに共通する重要なことは「信頼関係」でした。
そして、身体的・心理的・社会的なアセスメント、傾聴・主体性の尊重・非審判的態度・チームアプローチ、倫理綱領など重要な事柄を通して、実習生一人ひとりが「私たちが考えたソーシャルワークとは」を語り、報告が締めくくられました。
春名苗先生ゼミ
【実習施設・機関】 特別養護老人ホーム、老人デイサービスセンター
春名ゼミでは「関係性の重要性」をテーマに①利用者との関係、②他職種との関係、③地域と施設の関係という3つの角度から学びが報告されました。
① 利用者から昔の話を聞き、その人のしていたことを知り、再びそれができるように支援することで、利用者の自信や意欲につながる。
② 関係性を重視することで、利用者を深く知り、利用者のできることや可能性を広げることができる。また、職種間の連携により質の高いサービスを提供することができ、利用者の満足感につながる。
③ 地域と連携することで、地域の人どうしの交流の場となり、気軽に相談できる、地域の人の暮らしの質の向上にもつながる。
河野清美先生ゼミ
【実習施設・機関】 生活介護、就労継続支援、就労移行支援
河野ゼミでは、実習生それぞれが取り組んだ個別支援計画を通じて学んだことが報告されました。
「利用者と適切な距離感をとるためには、心理的な距離感にも着目する」
「利用者との会話の中で、オープンクエスチョンを用いることで利用者の好きなことやストレングスが見えてくる」
「個別支援計画を作成するには、施設内だけでなく、施設外の社会資源にも目を向けることが必要」
「職員から『あなたならこんな時どうする?』と頻繁に尋ねられ、自己覚知や価値観を再考した」
「利用者との日常会話から利用者のことを知っていくことが大切」