実習報告会が開催されました(その1)12月13日
実習報告会が開催されました(その1)12月13日
今年度、相談援助実習(社会福祉士実習)で学んだ学生が、その成果を発表する実習報告会を2回に分けて開催します。
今回は、その1回目(12月13日)の様子をお知らせします。
相談援助実習は、児童・障がい・高齢・低所得・地域等、さまざまな領域で行われますが、実習生にとっては自分が経験した分野・領域以外の社会福祉実践について学ぶことができる大切な機会です。
また実習施設の指導者の職員様のご出席もあり、報告に対するコメントをいただくことで、さらに学びが深まりました。
以下、各実習ゼミの報告の内容を簡単に紹介します。
長澤哲也先生ゼミ
【実習施設・機関】 社会福祉協議会、地域包括支援センター
長澤ゼミでは、「ソーシャルワーク実習から観えてきた地域福祉の視点」というテーマで実習体験を振り返り、実習生がそれぞれ考察を深めました。
「ボランティアの力を信じること」「聴くが効く」「’弱さ’に着目したソーシャルワーク実習」「仕掛けない仕掛け」「ソーシャルワークは人のことを考える仕事」といったトピックを取り上げて報告がなされました。
長澤先生からは、利用者の主体性は引き出すものではなく、まわりとの関係性からあらわれてくる、発露するものだという話がありました。
鳴海賢三先生ゼミ
【実習施設・機関】 母子生活支援施設、児童養護施設
鳴海ゼミでは、母子生活支援施設、児童養護施設の実習で、かかわりの場面が紹介されました。子どもたちに関わる中で「あなたはかけがえのない大切な人であるということを継続して伝えることが必要」「ストレングスを引き出すことで子どもは主体的に行動できるようになる」「信頼関係の構築が大切」「子どもが体験し、学ぶための支援が大切」など、それぞれの学びが語られました。
お越しいただいた指導者からもコメントをいただき、鳴海先生からは、施設の中での支援と施設を出てからのアフターケアの大切さ、子どもの命を守る大切さが語られました。
河野清美先生ゼミ
【実習施設・機関】 老人デイサービスセンター、地域包括支援センター、救護施設
河野ゼミでは、老人デイサービスセンター、地域包括支援センター、救護施設の実習での体験が語られました。「全ての取り組みが利用者中心に考えられている」「利用者一人一人は個々の存在であり、同じ支援の仕方は存在しない」「本人だけでなくまわりから得られる情報を見つけることの必要性」「地域を知るには住民の思いを知ること」など、それぞれの学びが語られました。
お越しいただいた指導者からもコメントをいただき、河野先生からは、利用者主体やソーシャルワークの学びを今後大切にしてほしいことが語られました。
朴仁淑先生ゼミ
【実習施設・機関】 特別養護老人ホーム、地域包括支援センター、老人デイサービスセンター
朴ゼミでは、特別養護老人ホーム、地域包括支援センター、老人デイサービスセンターの実習での体験が語られました。「死を本人が旅立ちの準備をするととらえ、利用者と家族に対して何ができるのかを一緒に考えることが必要」「利用者が外出したい理由を知り、行動の自由を保障しながら尊厳を大切にすること」「利用者を知っていこうとする積極的な姿勢がよい関係の形成につながる」「差別について一人一人が真剣に向き合うことが大切」「地域を支えるために、地域住民だけでなくその地域を支える各組織の支援が必要」などそれぞれの学びが語られました。
お越しいただいた指導者からもコメントをいただき、朴先生からは「経験より、能力より、姿勢が大切」という先生が大切にしている言葉が語られました。
矢野隆弘先生ゼミ
【実習施設・機関】 障害者支援施設、就労継続支援B型事業所、障害児入所施設
矢野ゼミでは、「利用者を理解するために」というテーマで事例を取り上げ、実習内容を掘り下げました。事例を通して「障害によってこだわりがあったりうまく話すことができなかったりする方もおられるが、かかわりを繰り返すことで少しずつ理解できるところが増えること」「たとえ同じ障害を持っていてもコミュニケーション方法は違う」「何を伝えたいのかを考え、かかわり続けることで信頼関係ができてくる」など、それぞれの学びが語られました。
お越しいただいた指導者からもコメントをいただき、矢野先生からは、コミュニケーションというテーマをさらに深めていくこと、利用者理解は向き合い続けることが必要だということが語られました。
吉永純先生ゼミ
【実習施設・機関】 社会福祉協議会
吉永ゼミでは、それぞれの実習の学びが語られた後、「社会福祉協議会を身近な存在にするために」という学生たちによる提案が示されました。大学と社会福祉協議会にバックアップしてもらいながら「学生社協」のような組織が展開できないだろうかとのことでした。学生が、学習支援、地域活性、世代間交流、子ども食堂、ボランティアセンターの組織などの活動を行うことで、地域とのコミュニケーションが生まれ、担い手の増加にもつながるのではないかと語られました。
吉永先生からは、地域での担い手不足という課題を解決するために学生が考えてくれた様々な取り組みを実際に展開していくことへの期待が語られました。
(記:春名苗教授)