花園ZEN講座 ―傑僧・南天棒!―in 海清寺 開催報告【国際禅学研究所】
2月15日(土)、禅に関する教育・研究・教化を担う、花園大学国際禅学研究所・妙心寺派教化センター・禅文化研究所が協働して実施する「花園ZEN講座」が開催されました。今回は、昨年100年遠諱が厳修された「南天棒」こと中原鄧州禅師(1839~1925)と、南天棒が晩年を過ごした海清寺(兵庫県西宮市)について、多くの方に触れて頂くことを願い、開催されました。鼎談、墨蹟・禅画の公開とギャラリートーク、坐禅体験に法話と、さまざまな試みがなされました。
まずは、南天棒の遠諱事業にも深くかかわられた佐々木丞平氏(花園大学歴史博物館館長)・政道徳門老師(圓福寺住職)・志水一行氏(妙心寺派宗務本所特別研究員)による鼎談が行われました(司会は、弊所副所長の飯島孝良が担当)。海清寺の成り立ちや南天棒とのゆかり、歴史博物館で行われた南天棒展の総括、南天棒の墨蹟からみえる禅風、そして南天棒と海清寺が現代に伝える禅の意義についても触れられ、「伝統を重視することから新たな可能性を模索すること」の重要性が指摘されました。これは、国際禅学研究所・歴史博物館・教化センター・禅文化研究所の各事業が意識すべきことであり、臨済禅が伝統的に重んじてきた精神と文化を、どのように現代の皆さまに接して頂けるかを課題とすべきと再認識されました。
鼎談の終了後、本堂において南天棒の墨蹟が露出展示され、御参加の皆さまに実物を間近で味わって頂きました。海清寺という、南天棒の墨蹟が「あるべき場所」に掲げられたことは、きわめて意義深いものとなりました。
また、海清寺の現住職である荒川玄梁老師によって、坐禅指導と御法話がございました。海清寺では毎月第二土曜日(1・8月除く)に法話会が実施されているとのことですので、御関心の方は海清寺までお問い合わせ頂ければと存じます。
当日は、定員を超える100名以上の御参加があり、企画運営としては本当に光栄なこととなりました。当日御参加の皆さま、運営に御助力頂きました皆さま、地元に南天棒に関する情報を共有くださった西宮市立郷土資料館さまには、心より御礼申し上げます。また、今回のイベントを紙面上にて取り上げてくださった読売新聞社神戸総局さま、神戸新聞社さまにも、深く御礼申し上げます。
「花園ZEN講座」は今後も開催していく所存でおりますので、引き続き花園大学国際禅学研究所・妙心寺派教化センター・禅文化研究所から発信されます情報に御注目頂けましたら幸いに存じます。どうぞ宜しくお願い致します。