NEWS

NEWS

花園大学文学部仏教学科女子枠の創設について

2023(令和5)年 7月 21

花園大学文学部仏教学科女子枠の創設について

花園大学学長 磯田文雄

花園大学は、2022年から2026年までの中期ビジョンにおいて「誰一人取り残さない(leave no one behind)」を基本的なミッションとして掲げています。これは2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)の基本哲学です。多様性(ダイバーシティ)が増す21世紀において、花園大学は一人ひとりの学生の成長を支援することを約束します。

冷戦構造の終焉とともに多様性(ダイバーシティ)の爆発あるいは開花が生じているといわれています。「今日では社会構成の非均質性は社会的・経済的活力の源泉であるとも考えられ」¹ています。特に大学においては知の創造をもたらすものは多様性(ダイバーシティ)であります。性、人種、言語、文化等の多様性(ダイバーシティ)を豊かにしていくことが大学の教育研究の広がりと深まりを進めていくことにつながります。

しかしながら、本学の文学部仏教学科においては、2023年入学者に占める女子の比率は0%です。このような女子の比率はすみやかに改善する必要があります。このため、2024年度入学者選抜において文学部仏教学科に女子枠を創設することといたしました。仏教学科合格者(女子)の成績上位10位以内の者を対象に、入学金、授業料、教育充実費を最大限4年間全額免除します。

女子枠の創設によりより多くの女子学生が仏教学科の教育研究に参画し、その活動が豊かになり知の創造に結びついていくことを期待します。具体的には、仏教学を女子学生の視点で見たときに見える新たな風景は何なのか。WBCで優勝した栗山監督は、「見たことのない景色を見させてもらった」といっていました。女子学生の参画により仏教学はどのようなものになるのでしょうか。また、仏教と人々の日常生活との関係を女子学生の視点で再構成するとどのような世界が開けるのでしょうか。男性の視点には欠けていたものが次々と明らかになることを期待しております。

花園大学の仏教学の教育研究が豊かなものとなりますよう、より多くの女子学生が文学部仏教学科に応募されることを心より期待しております。


¹佐々木毅『政治学は何を考えてきたか』筑摩書房、2006年、114